読んでみて本当にびっくりした。まさかこんなにつまらないとは。読む前の期待が大きすぎたのかもしれない。
ついつい期待してしまったのは、これまでに読む機会がなかったからだ。
別に古代マニアでもないけれど、古事記などは、なんだかんだと接する機会が多かった。イザナギノミコトやイザナミノミコト、天照大御神、スサノオノミコトとヤマタノオロチ。そうそう草薙の剣なんてものもあった。
即位礼正殿の儀が終わったばかりだと余計に感慨深い。古代から現代までが一本の線で繋がっているのが実感できるような。
これほどに古事記というものは馴染み深いものなのに、日本書紀はついぞ読む機会がなかったので、いやが応でも期待は高まるばかり。これは致し方のないことだろう。
で、読んでみたら恐ろしくつまらなかった。でも読んでみて良かったと思う。
この漫画版は実に親切な構成になっていて、日本書紀が作られた経緯や、日本書紀ではっきりしていること、よく分かっていないこと、恐らく創作であろうことをきちんと分けて解説してくれている。
何より古事記と日本書紀との共通点や相違点を分かりやすく描いてくれたことは助かった。日本書紀はなぜこんなにつまらないのか、その理由もよく分かった。
古事記は神話重視で物語性が強い。早い話がエンタメ優先だ。
稗田阿礼が一人で語り起こした(音声入力!)ものなので統一性もあっただろう。
一方日本書紀は複数の人間が当時の様々な書物から編集して作ったもののようで、どうも断片的と言うかまとまりがない感じだった。
時々出てくる面白エピソードは100パー古事記とかぶっている。やはり歴史は物語性がないとつまらないものなのだ(個人の意見です!)。
それにしても謎なのは、古事記は国内向け、日本書紀は国外向けのはずなのだが、けっこう日本書紀では、こんなエピソードを海外に流してちゃって良いの? と思うのがごろごろしてるってことだ。
「大悪天皇」と呼ばれた雄略天皇の暴虐エピソードの数々、それに、けっこう天皇家では皇位継承権をめぐって兄弟同士で争っている。
しばらく前に読んだイスラムを舞台にした漫画を思い出してしまった。イスラム帝国での兄弟殺しは世界的に有名らしいが本朝も負けてないようだ。
まぁ、歴史の編纂はどうしても編纂する側に都合の良いように作られるもので、当時の天皇の系統を賛美し、ライバル系統の天皇は悪く書くってのは分からないでもないけど、国外に発信するために編纂したんだし、もうちょっと婉曲に書くとか方法は無かったんだろうか?
なんにしても、日本書紀の漫画版がこれほど少ない理由がよく分かった。恐らく、日本書紀の漫画版別バージョンを読むことはないだろうし、読む必要も無さそう。それが分かっただけでも、今回の「日本書紀 ―まんがで読破―」を読んで良かったと思う。一度は読んどくべき!
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