もっと漫画を読んでいこう、歴史方面、特に世界史方面を攻めていこうと思った時に避けて通れないのは学習漫画だった。
で、最初に、図書館に置いてあった学習漫画の世界の歴史シリーズを読んだ。それが、これ。集英社版だ。
今は文庫本にもなっているようだ。中身は同じ。
集英社 まんが版 世界の歴史 全10巻セット (集英社文庫)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/05/25
- メディア: 文庫
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初版は2002年のようで、確かに絵柄も古く感じられた。もっと新しいのを読みたくなったのと、電子書籍版を買って隙間時間にちょこちょこと読んでみたくなったので、思い切って買ってしまったのがこちらの学研版だ。
ちなみに電子書籍化されてるのは学研版のみ。まだ、1巻を読み終わったばかりだ。
さらに読み比べてみたくなったので図書館で小学館版を借りてみた。こちらは地元の図書館には所蔵がないので、よその図書館から取り寄せてくれる。
図書館に行くのは週一回。リクエストは1回につき1冊だけなので、週に1冊ずつ読んでいくペースになる。こちらも第1巻を読み終わったところ。
読み比べてみると、同じ世界の歴史でも随分違うもんだと感じる。
集英社版は2002年が初版のロングセラーなので別格な感じだけど、学研版は2016年、小学館版は2018年刊行なので、新しい歴史的事実が加えられていたり、先行者と差別化を図る意味合いもあって、新しい解釈が付け加えられていたりする。
ここではハンムラビ王やハンムラビ法典をどのように取り扱っているかを例にして比べてみよう。
集英社版は、ロングセラーだけあって、自分が授業で習ったのと同じような感じで、ハンムラビ法典が世界最古の法典であることや「目には目を 歯には歯を」の復讐を認めたことぐらいしか描いていなかった記憶がある。そもそも扱い自体が小さかったし、ハンムラビ王よりはハンムラビ法典を取り上げてる感じ。
学研版では、世界最古の法典の座は「ウルナンム法典」に譲っている。「目には目を」も、復讐を認めると言うよりは、必要以上にやり返してはいけないと言うことに重点が置かれる。
物語は若く猛々しいハンムラビ王と新米の書記男子の二人を軸に進んでいる。法典よりは王にスポットが当たってる。
小学館版になると、ハンムラビ王はかなり老成したキャラクターとなって登場する。猛々しさは陰をひそめて、知的で思慮深いイメージだ。
ウルナンム法典の扱いも大きくなり、ハンムラビ王は、ウルナンム法を越える法典の成立を目指した、と言うことになっている。
こうしてハンムラビ王やハンムラビ法典について読み比べてみると、学研版は、先行者の集英社版とは違った歴史的解釈を加えようとし、小学館版は先行する学研版にはない細部の歴史的事実を付け加えたと言う印象だ。
それにしても、ハンムラビ法典が全部で282条にもわたるきめ細かな法律だとは知らなかったな。どうしても「目には目を」の印象で見てしまっていた。
何にしてもしばらくは読み比べが楽しめそうだ。できれば、集英社版も小学館版も電子書籍化して欲しい。
そうなれば、世界史の漫画や本を読んでいる時に、スタンダードな通史では、どんな風に扱われているのかをパパっと読み比べることが出来るから――。
おまけ――。
ハンムラビ王の死後、王の国バビロニアは少しずつ衰えて、その後、ヒッタイトに滅ぼされることになる。
ちょうど、そのヒッタイト全盛期を舞台にした漫画を読み終わったところで、何だか諸行無常な気持ちになった。偉大な人物が偉大なことを実現しても、長い年月が経てば滅び去ってゆくのだなぁ……。
読み終わったばかりの最終巻はこちら――。
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