世界史の本を読んでいくなら世界4大文明のエジプトは外せない。てわけで今回読んだのはこちら。最もツタンカーメンその人の話ではなくて、ツタンカーメンのミイラを発掘したハワード・カーターの物語だ。
漫画はドキュメンタリーやノンフィクションのように、静かに淡々と進んでいく。だからといって、つまらないわけじゃあないのが、むしろ不思議。
後にカーターは、ツタンカーメンのミイラを発掘した後、訳あって全米で講演して回ったことがあって、その時のカーターの冷静で静かな語り口が、かえって聴衆の胸を打ったと言うエピソードが紹介されているけれど、このマンガにも、すっかりそのまま当てはまる。
それにしても発掘というのはしみじみと地味な作業の積み重ねだ。そして、ファラオの墓を発見するまでの数年間の費用よりも、発見してから発掘品を一つ一つ取り出していく作業の費用の方が、よっぽど高くつくというのも驚きだった。
ちなみに、この漫画は全4巻なんだけど、第1巻から第3巻までを発見するまで、最後の第4巻の1冊丸々を発見してからにあてている。
もうひとつ驚いたのは、王のミイラが墓に保存された後、たいていの墓はすぐに暴かれてしまったというエピソードだった。
ファラオは金銀財宝と一緒に葬られたわけで、王の側近や神官などが墓泥棒とグルになって、その後すぐに盗掘されてしまうのが当たり前だったようだ。
あれほど死後の安寧を願っていた権力者もこうなっては形無し。
それだけにツタンカーメンのミイラの発掘は奇跡的なことだったんだなぁ。
それにしても古代エジプトは、現代よりもよっぽど信心深く迷信深い時代だったはずなのに、欲に狂った庶民には怖いものはないのだなぁ。昔も今も庶民って大して変わらない。ふてぶてしく、たくましい。
自分が読んだのは文庫化される前のやつだったけど、第4巻の巻末にエジプト神話をモチーフにした読み切りがあって、これも面白かった。元々オカルトものを得意としていた作者にぴったりハマっていた。
もちろんフィクションだろうけど、古代エジプトにも霊能力を持った人間がいて、そうした人間がきっかけでミイラを作ることが始まったと深読みするのも楽しい。
最後に発掘つながりでこちらの作品も紹介。発掘の断面を滑らかにするのが上手いとか、細かい発掘作業の一つ一つを丁寧に紹介している。発掘作業の流れって、困難感じなのかな。
豆乳を飲んでカブを乗り回すのがこんなにスタイリッシュになるなんて不思議。発掘現場でも恋はできる? 現在の最新刊は4巻。
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