らくだのライフハック

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【漫画化計画】『ヒストリエ』で古代ギリシア世界の奴隷制度を垣間見て身分制度や自分探しについて思う。


日曜日から月曜の夜にかけて、DMM レンタルコミックで借りたヒストリエ1巻~10巻を一気読みした。

 

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

 

 

 


月曜の夜は寝苦しかったし、後半はまだ読んでいなかったこともあって、ついつい夜更かしして寝不足になってしまった。

 


アレクサンドロス大王の書記官となったエウメネスの波乱に満ちた生涯についての作品なんだけど、作品のあらすじや面白さについてはAmazonのページでも読んでもらうことにして、ちょっと気になったことについて書いてみたい。

 

ヒストリエ(10) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(10) (アフタヌーンKC)

 

 

 

この作品は紀元前の古代ギリシア世界、特にマケドニアを舞台にしているわけだけど、当時は奴隷制度があったようだ。

 

奴隷というと主人から鞭打たれたりして、虐待のような扱いを受けているというイメージが強い。実際、そういう登場人物も出てくる。


でも読んでいる限りでは、この奴隷達、結構身分が流動的と言うか、扱われ方がそれぞれ違っていたり、たくましく生きぬいていったり、色々だ。


主人から虐待されて復讐する奴隷がいる。子供の頃から家族同然に育てられて主人が死ぬと奴隷扱いに落とされる子供がいる。能力を認められて執事のような役割を果たしている奴隷がいる。船で反乱を起こして主人を海へ放り込む奴隷たちがいる。コツコツお金を貯めて自分の身分を買い取り奴隷から抜け出すものもいる。


もちろん身分としては1段階低く置かれているんだけど、能力や才覚次第では抜け出すことも可能なようだ。


周りの人間も、奴隷だからと露骨に見下す人間もいれば、特別にこだわりなく付き合う友人もいる。付き合っていた彼氏がいきなり奴隷になってしまって気持ちの整理がつかない彼女もいる。


で、主人公も奴隷の身分に落とされたり、奴隷の反乱に巻きこまれて自由の身になったり、最終的にはアレクサンドロス大王の書記官になったりする。

 


なんとなく江戸時代の士農工商身分制度を思い出す。この身分制度もけっこう流動的だったようで、例えば剣術の才能があったり、そろばんが上手かったり、商人でも金の力があったりすると、サムライの身分になれた。

 

 

現在ではもちろん身分制度はないけれど、その分、自分は何をしたいのか、何ができるのか、このままで良いのか、この先ずっとこのままなのか? などの自分探しに迷うことになる。


身分制度というものは、生まれた時にサムライをやれとか農業をやれとか役割が振られているわけで、特に不満のない者はそのまま続ければいいし、不満がある者、野心がある者、特別の才能がある者は自分の力で身分制度を突破すればいい。運が良い者はどこかの婿に入る、そういうこともできただろう。

 

自分探しで疲れ果てるよりは、案外そういう方が気楽なのかもしれないなと思ったりする。

 

 

だからといってヒンドゥー教徒のような身分制度もどうかと思ったりする。


島耕作シリーズの中には、インドへ行った時に、この身分制度がからんだエピソードがあった。インドでは子供の手を切ってしまって物乞いに仕立てるという悪習がある。体が不自由な方がお金をもらえるからだ。

 

 


島耕作は手を切られそうになっていた少女を助けて、キリスト教系の施設へ預けたりと手を尽くすのだけど、少女は結局そこを抜け出して元の世界へ戻り、手を切られてしまうと言うカットでそのエピソードは終わる。

 

日本人の我々からすれば信じられないエピソードだけど、自分が生まれ育った世界からはなかなか抜け出せないということだろう。書記官エウメネス君からすれば、「文化が違~う」と言いたいところかもしれない。

 

 

奴隷つながりでもう一つ漫画を思い出した。

 

アルスラーン戦記(1) (講談社コミックス)
 

 


このシリーズの中に、奴隷を解放してあげて良いことをしたと思っていたのに、肝心の奴隷達からはなんてことをしてくれたんだと責められてしまうエピソードがある。

 

これまではただ言われたことをその通りにやっていればよかったのに、そうすれば食べ物も眠るところも十分に確保できていたのに、これからはどうやって生きていけば良いのか自分で考えなければならない。なんてことをしてくれたんだ、そういうわけだ。


これまで共産主義社会だった人たちが、いきなり資本主義社会に放り込まれたらこんな感じかも。

 

でもこれって現在の日本社会でも、ごく普通の会社でも当たり前のように存在する。私は○○なので責任取れません。指示してくれれば言われた通りにやりますから。こういう思考停止してしまった人達。でもこんな人たちは指示したところでなんだかんだと理由をつけて言われた通りにやることは少ない。まあでも一番たくましく生きてるのはこういう人たちなのかも。

 

え~と、まぁ、ほどほどの義務感と、ほどほどの自由と、ごく普通の凡人には、それぐらいがちょうど良いということで。

 

 

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