らくだのライフハック

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─セミリタイアして本とマンガの日々─

【漫画化計画】ホントに100年生きなきゃならないの? 『まんがでわかる LIFE SHIFT』


人生100年時代だとか、老後には2千万円必要だどか、散々驚かされなかったら、漫画版とは言え、手に取らなかったと思う。

 

まんがでわかる LIFE SHIFT

まんがでわかる LIFE SHIFT

 

 


何しろ原本は400ページを超える分厚さだ。けれども2016年に発売されて以来、Amazon の労働総合関連書籍では、いまだにベストセラー1位だ。少なくとも漫画版で読んでみる価値はあるだろうと思った。

 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

 


それにしても、某大企業社長に至っては終身雇用制度はもう無理だとはっきりと発言しているし、その一方で政府はできるだけ長い間働きなさいという方向で進んでるし、このまま10年もしたら、いったいどういう世の中になっているんだか。

 

 

 

このニュースを聞いた時、自分はかなりびっくりしたのだが、それほど大きな話題にはならなかった。むしろそっちの方に驚いた。みんなもう織り込み済みのことなのかな。

 


それにしたって100年と言うとなんだか気が遠くなってしまう。60歳になって、いったん定年になって、65歳ぐらいまで何らかの形で会社絡みにしがみついても、残りあと45年はある。大企業なんかだと、さらに55歳ぐらいで役職定年し子会社に出向ということになる。

 


本書の主人公の父親がまさにそのタイプ。兄は左遷を不服として退職したけれど再就職がうまくいかない。どちらも大企業のエリートだったけれど、片方は途中で上手くいかなくなり、もう片方は、ゴールまでたどり着いたものの、こんなはずではなかった、こんなものだったのか、て感じだ。


そして主人公は就活中の女子大生で、大企業にするか、勢いのある中小企業にするかで揺れている。ただ、大企業にしても不祥事があればどうなるかわからないし、中小企業もブラック企業だとネット上で噂があったりする。


主人公のメンターとなるのは留学生のエルザだ。「ゴザル」「ナノジャ」な日本語が残念だけど、自分らしく生きようとしている魅力的な女性。「正しい答えなんてない 自分の決めたことことが正しいのヨ」という言葉が力強い。

 

 

マルチステージやポートフォリオワーカーなど新しい言葉が出てくるけど、要は終身雇用制度が壊れて多様な働き方をしなければいけない時代になると言うことだ。


何より定年退職まで勤め上げたとしても、その後の人生の方が長い。余生を悠々自適で過ごすというのも無理なのだ。それが、老後2000万円必要だということになる。

 


ではお前はこの漫画版を読んでどうするというのだそう言われるとノープランに近い。


出来るだけ金のかからない生活、もらえるかどうかわからない年金・退職金、上手くいくかどうかわからない積立投信、本当に出来るのか分からないネット上でのお小遣い稼ぎ、健康づくりと体力作りを兼ねた肉体労働、思いつくのはそれぐらいだ。


さて、これから自分のポートフォリオをどのように組んでいこうか。そのように思えるようになっただけでも読んだ価値はあった。

 


あとできれば社会も変わってほしいと思う。働き方改革も始まったことだし、副業解禁とか、フレックスとか、テレワークとか、ワーケーションとか。世界で最も高齢化が進んでいる先進国日本でこそぜひぜひ。