筑紫40年の限界ハウスに住んでいる。
最近は、いい意味で、あきらめがよくなった。
「あきらめる」は「明らめる」とも読めるらしい。
ムダな努力はしないことに越したことはない。
まず、庭はあきらめた。
一歩、間違えたら空き家に誤解されそうなぐらいの荒れ方だけど、とりあえず日常的なゴミは出しているので、ゴミ屋敷にはならずにすんでいる。
母親が生きていた頃は、父親も花を植えたり、家庭菜園をやったりしていたのだが、すっかりやる気をなくしたようだ。
自分はと言えば、自給自足と言う大それた夢を見ていた頃もあったけど、家庭菜園すらも挫折する有様だ。
そんなこんなで、草木生い茂るワイルドな庭となっている。
自分より背の高い菜の花というものが不気味なものだとは、わりと最近知ったばかりだ。
まさか、放射能の影響じゃないだろうな、と疑っている。
菜の花って、放射能を吸い取りやすいらしいし。
おかげで、菜の花の辛子和えが食べられなくなった。
好きだったのに。
木の枝が道路にハミ出てしまって、通行の邪魔になると、市役所へ通報されることもあるらしい。
幸い、今のところ、そんなこともなくてホッとしてる。
家の前は歩道のある道路なのが幸いした。
とは言え、全く歩道に出てないわけじゃないので、ビクビクものである。
最近は、ツルが伸びて、電線にからまってるし。
東京電力あたりから苦情が来ないといいけど。
庭の隅の目立たないところには、粗大ゴミが放置されている。
家事に取り組み始めた頃は、これらも何とかするつもりだったけど、今はすっかりあきらめた。
バラして捨てるつもりで、電動ノコギリやグラインダーを買おうとして検索してたこともあったなあ。
踏み込まなくて良かった。
泥沼化するところだった。
次に考えていたのは、業者に頼んで引き取ってもらうことだった。
トラック一回で○○円のワイルドなやつ。
これもやめた。
いつの間にか、ご近所も空き家だらけになっていたのだ。
ぼろぼろになって崩れ落ちる家屋。
日常的になった解体工事。
解体できるのは、まだ、マシな方なのだ。
解体される家には、家具やら何やらあるけれど、いっさいがっさいをまとめて壊して引き取っていく。
選り分けてたら、いつまでたっても終わらないことは理解できた。
将来、この家が解体されるときに、粗大ゴミも持っていってもらおうと腹をくくった。
枝切りや草取り、片づけ作業で消耗したくない。
あきらめて正解だったと思っている。
限界ハウス、ダメ家事男子。プロフィール
空き家一歩手前の限界ハウスで「健康で清潔な最低限度の生活」を目指し、ストレスフリーな毎日を目指して試行錯誤中のへなちょこ家事男子。