『池袋ウェストゲートパーク』の最新刊『裏切りのホワイトカード』を読み終わった。
シリーズも13冊目。
1冊目が出てから、もう、30年になろうとしてる。
スマホを使うようになってから、読書量が思い切り減った。
中でも、小説を読まなくなった。
今でも読んでいるのは、「安心して読める」、「期待を裏切られない」ものがほとんど。
保守的になってしまったのかもしれないけど、新規開拓してる余裕もない。
衝撃の問題作も、もういいかな、て感じだ。
生きづらい世の中の日常生活は充分にホラーなので、フィクションの世界では安心していたいのかもしれない。
そういった意味では、本作は、昔懐かしのキャラクター、東池袋のハッカー、ゼロワンを始め、Gボーイズのキング、タカシ、昔はいじめられっ子だったが今は暴力団の若頭となったサル、近所のお兄さんだった池袋署の署長、池袋署の人情派平刑事、吉岡などオールキャストだった。
昔なじみの安心感がにじみ出る。
長く続いているシリーズだと、どうしても、マンネリやパワーダウンなどの辛口なレビューが増えてくるけど、馴染んだ物語の世界に、すっと避難できるのはありがたい。
「嵐からの隠れ場所」みたいな。
あと、このシリーズには、もう一つの効用があると思っている。
本を読むのは好きだけど、政治・経済・法律方面はさっぱりで、一応、社会人のハシクレとして、新聞の見出しくらいは目を通すようにしてるけど、さっぱり頭に入らない。
世間とはあまりかかわらずに距離をとっていたい自分には、どうも、世の中の流行廃りがよくわからない。
そんな自分にとっては、池袋ウェストゲートパークシリーズは、今どきの世の中では、こんな問題が起きているのだ、と教えてくれるものなのだ。
今回は、ツイッター炎上、ドラッグ、スピリチュアル、カード詐欺などがテーマだった。
就活のときでさえ、時事ネタがダメだった自分にとって、このシリーズは新聞代わり、時事問題の教材の役割を果たしている。
ちょっと社会派? みたいな。
昔は講談師というものがいて、話題のスキャンダルを面白おかしく話していたけれど、現代ではハリセンで机を叩きながら歴史物をうなるようなイメージが定着してしまった。
池袋ウェストゲートパークシリーズは、現代の講談ではないか、と思ったりする。
本との話ガイド
本と読書についての本音の話。。。