本との話:吉本ばななと『パームシリーズ』の不可思議な関係。運命をどのような解釈で乗り越えていくか。


吉本ばななさんの『人生の旅をゆく 3』を読み終わったとき、なぜか『パームシリーズ』の主人公、ジェームス・ブライアンのセリフを思い出した。

人間は運命を変えられないけれど、運命をどう解釈するかによって、運命を乗り越えていく、てな感じのセリフだった。

  • 人生の旅をゆく 3
  • パームシリーズ (文庫版) 【コミックセット】

  • 以前、吉本ばななさんのエッセイは「おばあちゃんの知恵」のようだ、と書いたことがある。

    ヘタなビジネス本やハウツー本を読むよりも、生きづらい毎日が少しだけ楽になるような気がするのだ。


    突然の死、別れや、自分にはどうにもできないような理不尽なことを、どのように受け止めて生きてゆくか、このエッセイには、そのための知恵がつまっている。

    そして、その知恵は、当たり障りのないきれい事ではなくて、ばななさんの体験から掘り起こされたものなので説得力がある。

    異国で迎えざるを得なかった父親の死、姉が大好きだった母の死、間もなく別れが近づいてきた老いたペットと過ごす時間、生まれつきほとんど見えなかった左目のこと。

    解釈という知恵で、どのように乗り越えてきたかが、ばななさんのエッセイには盛り込まれているのだ。


    ちなみに、『パームシリーズ』も始まってから30年以上にわたる大河ドラマだ。

    いよいよ最終章に入って、読みたいような、読んでしまうと終わってしまうので読みたくないような、複雑な気分。

    ラストシーンや登場人物のその後は、すでに描かれていて、一見、悲劇に見えるクライマックスへ向かって疾走中だ。

    主人公たちが、どのような解釈で運命を乗り越えていくのか、こちらも楽しみだ。


    ちなみに、『パームシリーズ』の最終章のタイトルは「タスク」。

    人は幸せになる義務があるーー。

    ばななさんとは、やっぱり通じるところがあるような気がする。

    ばななさんもマンガ好きだしね。

  • パーム(36) TASK I (ウィングス・コミックス)
  • タスク パームシリーズ


    本との話ガイド

    本と読書についての本音の話。。。